裏コード:ダイヤトニックによるコード進行その④:知識ゼロからのギターコード攻略(30)

「裏コード」の理論と実際

前回はセカンダリー・ドミナント、前々回はダイヤトニック内の代理コード、というアイデアでダイヤトニック・コードを土台としてコードを入れ替える方法について見てきました。さて今回は、「裏コード」です。


裏コードというのはドミナント・セブンス・コードの置き換えについての手法ですが、ここではドミナント・セブンスというコードを形成している最も重要な音に着目します。不協和音程である「トライトーン」です。このトライトーンという音程は1オクターブ内に最も遠い位置にある二つの音、12個の半音をちょうど真ん中で割ったような距離、増四度もしくは減五度の音程です。Cのキーで説明すると、F音とB音ということでした。

 ※参照記事:音楽のタネあかし!?ダイアトニックコード③:知識ゼロからのギターコード攻略(17)


このF・B両者を含むG7というコード、これはキーCのダイヤトニックの5番目のコード、つまりⅤ7です。ところで、このF・B音程を含むドミナント・セブンス・コードは、実は12調のメジャー・ダイヤトニック・コード群の中にもう一つあります。


キーがGb(F#)のダイヤトニック・コードのドミナント・コードを確認してみましょう。

同じトライトーン(F音・B音)を含むドミナント・セブンス・コード
同じトライトーン(F音・B音)を含むドミナント・セブンス・コード

 Ⅰ=GbMaj7

 Ⅱ=Abm7

 Ⅲ=Bbm7

 Ⅳ=CbMaj7

 Ⅴ=Db7

 Ⅵ=Ebm7

 Ⅶ=Fm7(b5)


Ⅴ=Db7の構成音は、Db・・Ab・Cb(=B:異名同音)

いっぽうG7の構成音は、G・・D・です。


Db7は、G7と同じトライトーンを有していますね。ということでCのキーに戻して捉えなおすと


 「Ⅴ7の代わりにbⅡ7が使える」


ということになります。これを裏コードと言います。

ダイヤトニックのⅤコードの裏コード

裏コードを使用した「ふるさと」コード進行例① ドミナント・コードG7の裏コードDb7
裏コードを使用した「ふるさと」コード進行例① ドミナント・コード「Ⅴ7」(G7)の裏コード「bⅡ7」(Db7)

上段が元になるコード進行、下段が裏コードを使った例です。ここでは3小節目「G7」を「Db7」に入れ替えてあります。コードを変えたのに合わせてメロディも半音階的に修正してあります。このようにコードに手を加えるということは音階にも手を加えることになり、メロディにも影響が出る場合があります。

セカンダリー・ドミナントの裏コード

裏コードを使用した「ふるさと」コード進行例② セカンダリー・ドミナント「C7」の裏コード「Gb7」
裏コードを使用した「ふるさと」コード進行例② セカンダリー・ドミナント「Ⅰ7」(C7)の裏コード「bⅤ7」(Gb7)

裏コードのアイデアは、セカンダリー・ドミナントの場合にも応用が可能です。ここではFへと進行するC7の裏コードとして「Gb7」というコードが出てきています。Gb7の前に、C7に関係するGm7(Ⅱ-Ⅴの関係)が出てきていますが、これによって2小節目を、頭からGb7にした場合に比べて、元のメロディに手を加える必要がなくコードとメロディの流れがよりなめらかになっています。

関係するⅡm7も裏コードとセットで

裏コードを使用した「ふるさと」コード進行例③ セカンダリー・ドミナント「E7」の裏コード「Bb7」とその関係Ⅱm7
裏コードを使用した「ふるさと」コード進行例③ セカンダリー・ドミナント「Ⅲ7」(E7)の裏コード「bⅦ7」(Bb7)とその関係Ⅱm7(Fm7)

この例では後半の「Bm7(b5)ーE7ーAm7」の部分が「Fm7ーBb7ーAm7」に変更されています。これはⅤ7に関係するⅡm7コードをセットにして裏コードに変更できるという例です。「E7」の代わりに「Bb7」これが裏コード、そのBb7(Ⅴ7)に対するⅡm7の位置にあるコードが「Fm7」ということになります。



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