ローマ数字付コード(ディグリー・ネーム):音楽のタネあかし!?ダイアトニックコード④:知識ゼロからのギターコード攻略(18)

「音楽のタネあかし」と題してダイアトニックコードをシリーズで、④)取り扱ってきましたが、 今回でまとめたいと思います。

 

 

ダイアトニックコードは音楽理論ではローマ数字であらわすことがあります。これは「度数(degree)」を示すためで、ダイアトニックの1~7のコードは、下図のようにⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦにサフィックス(コードの種類)を付けたものになります。作曲などにとても便利な表現方法なのでぜひ覚えましょう。

 

数字付コード:ディグリーネーム
数字付コード:ディグリーネーム

数字付コードで楽曲が「見えてくる」!?

Ⅰ~Ⅶまでのコードをチェックしてみましょう。メジャー系コードが三つであとは全てマイナー系です。

 

 
三つのメジャーコードのうち一つだけ7度がフラットしています。
 
ⅠMaj7  ⅣMaj7  Ⅴ7
 
 
四つのマイナーセブンのうち一つは5度がフラットしたマイナーセブンですね。
 
Ⅱm7  Ⅲm7  Ⅵm7  Ⅶm7(b5)
 
 
ダイアトニック内のメジャーコードは3つあり、「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」という、それぞれ異なる重要な役割を担う要(かなめ)のコードです。合わせて「主要三和音」と呼ばれます。この3つのコードさえあれば曲が作れます。他の4つコードは脇役かもしれませんが、それぞれにまた味のある役を演じます。各Ⅰ~Ⅶのコードの機能については前回の記事も参考にしてください

 

数字付コードは主音からの度数を示し、トニックやドミナントなどコードの機能が一目瞭然です。それで「機能コード(ファンクショナルコード)」とも呼ばれます。

 

そして全12のどのキーにおいても適用することができます。例えば下のようにキーがDのダイアトニックコードの場合、数字付コードに置き換えればキーCの時と同じⅠ~Ⅶの同じサフィックス(Maj7、m7など)のコードになります。そしてもちろん、その他のキーの場合も同様です。

 

DmajorDiatonicChords
Dメジャーのダイアトニックコード:数字付コードで表記するとCメジャーの場合と同じコードネーム(ⅠMaj7、Ⅱm7~)となる

 

 

 

数字付コードを理解することにより、あらゆる楽曲のコード進行や曲に使われている各コードの役割や意味を瞬時にキャッチできるようになります。楽曲を分析すれば「あ、ここでⅤからⅠに行ったな」とか「この部分のⅣはメジャーではなくマイナーコードに変えて面白みを出しているな」といったようなことが分かるのです。楽曲のコードを数字付コードに置き換える術を覚えたなら、まさに曲がよく「見えて」きます。数字付コードに置き換えるということはすなわち、曲中の各コードの機能を突き止めたということです。これが「音楽のタネ明かし」です。楽曲のコードの動きの意味を明らかにしたということになります。

 

 

 

 

つぎは「キー」についての説明です。

 

 

 

正体見たり、メジャースケール

キーがCだということは、ドレミファソラシドという音の階段がC音で始まり次のオクターブ上のC音で一周するということです。

 

 

キーCの構成音: C D E F G A B C

 

 

別のキー、たとえばキーがDではどうなるのでしょうか?ただ単にDEFGABCDでいいのでしょうか?正解は次のようになります。

 

 

 X・・・・・・ D E F  G A B C D

 ○・・・・・・ D E  F# G  A  B C#  D

 

 

どうして#(シャープ)の記号がついている音があるのか疑問に思う方は続きをご覧ください。

 

ギターの②弦1フレットにC(ド)の音があります。例えば、ここから順に1フレットずつ隣の音を鳴らしていけばドレミに聞こえるかと言えばそんなわけはありません。では2フレットずつ音程を上げて弾いてみては?・・・これまたしっくりこないですよね。そもそもドレミはどうしてドレミに聞こえるのでしょうか?あなたならどう答えますか?

    

 

ドレミをドレミたらしめているのは、音程間隔です。ピアノの白鍵盤はあらかじめその音程で設計されています(ギターの指板をピアノに見立てた図はこのシリーズの「(4)音名を覚える術」にあります)。さてどんな音程間隔なのでしょうか?

 

メジャースケールの音程表
メジャースケールの音程表:例)Cメジャー
メジャースケールの円
メジャースケールの円:Cから右回りで全・全・半・全・全・全・半の音程間隔の音を囲んである

     

ドレミファソラシドの音程間隔、つまり「全・全・半・全・全・全・半」を持つ音階「メジャースケール」は12キー存在します。ダイアトニックコードもキーが12あり、私たちが通常聞く音楽(調性音楽のこと)はこの12のキーのうちのどれかであり、その曲のコードはかなりの部分がダイアトニックコードだと思って間違いないでしょう。12キー全てのダイアトニックコードをギター上で弾いてみて下さい。ギターという楽器の特徴、面白さ、個性的なコードサウンド、響きの美しさをあらためて発見できるかもしれません!

 

 

 

キーとは12半音の「どこから始まるドレミファソラシド(全・全・半・全・全・全・半)なのか」ということ

D
D音から始めたドレミファソラシド:Dメジャーダイアトニック(メジャー)スケール
Eb
Eb音から始めたドレミファソラシド:Ebメジャーダイアトニック(メジャー)スケール


 「ドレミ」は音名でも使いますが階名としても使えます。つまり、「全・全・半・全・全・全・半」というメジャースケールの音程間隔のことを歌にしたようなものです。このブログ連載の中でも両方の使い方で出てきます。「CDE」のほうは全世界共通的に「音名」として使われていますのでCDE~と来たときには絶対普遍のある一つの音を指しているということだと理解してください。ドレミ~と来た場合はCから始まるドレミかもしれないし、Ebから始まるドレミなのかもしれないということです。

 

12あるキーとは何かと言うと、ドレミをどの音から始めるかで12通りのダイアトニック(メジャー)が存在するということになります。ダイアトニックのファンクション(機能)と12のキーのどれかを掛け合わせたものが、今あなたが聞いている音楽だったのではないでしょうか?

 

 

 

<まとめ>

音楽(ここでは一般的な調性音楽)において、楽曲の中身がどのようになっているのかというその秘密は次の大きな2つのことを知ることでひも解く事が出来る。

 

 

     

「ダイアトニックのⅠ~Ⅶの機能」

   × 

「12のキー」

     

「音楽のタネあかし」

 

 

 



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