まず注目すべきは奇数か偶数か?コード攻略の突破口①
前回までの記事で、音を捉える呼び名には「音名」「階名」「音程」があり、コードを扱うときには「音名」(CDEFGABC)と「音程」(1~8度)の理解がポイントだとお話しました。
今回は具体的な「コードネーム」を見てみましょう。
![Caug](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s5f00cd62cce720e6/image/idb60d985bfe0a359/version/1376039944/caug.png)
![Cmaj9](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s5f00cd62cce720e6/image/i0f054de9eeebb6f6/version/1376039976/cmaj9.png)
![F#7b9#11](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=193x10000:format=png/path/s5f00cd62cce720e6/image/i85e51e23fe37a7dd/version/1376040470/f-7b9-11.png)
コードネームは上図のように表示するわけですが、そこにはどんな情報が隠されているのでしょうか?まず、コードネームのアルファベットの文字ですが、これはもとになる音を表しており「ルート(根音)」と呼びます。ルートから▲度の音、◇何度の音、●度の音・・・という風に音を重ねてゆくのがコードだということですね。ここまでは普通に理解できるかと思います。
さて、前回の記事「わずか12種類の音程」で、音程は無数にあるのではなくコードを理解する上では12種類覚えれば良いと言いましたが、その中からいくつかの音が選ばれ組み合わされているのがコードということですね。ではどのように音を選んで重ねてゆくのでしょうか?
コードがコードとして美しくまとまりのあるサウンドとして聞こえるには、ルールと言うか、「重ね方」があります。それが「3度重ね」です。ルートの次は3度、次は5度。さらに7度という具合です。そして、9度(1オクターブ上の2度)、11度(1オクターブ+4度)、13度(1オクターブ+6度)までで全ての度数が出尽くしたことになります。全部奇数になるわけです。コードネームには7や9の他、11・13等奇数が多いのはこのためです。ということで、はじめに注目したらよいのは奇数度の音程なのです。
ちなみに、15度というのはルート音から2オクターブ上というだけで、同じ音名に戻ります。それと、sus4やm6など偶数の度数がついたコードももちろんありますが、どちらかというと奇数度の音程の性格を補足するような働き方をします。
まずは
「コードの基本は3度重ね=奇数度」
だと理解しておけばよいでしょう。
それではさっそく3度を重ねてコードを組み立ててみましょう。
![Root-m3M3](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s5f00cd62cce720e6/image/i1ac41cd37c4613cd/version/1376129458/root-m3m3.png)
今回は合計3つの音を重ねた和音を確認していきます。これを「トライアド(三和音)」と言います。
まず、ルートから3度の音程の実際を見てみます。3度には「短3度」と「長3度」があります。それぞれ「マイナー・サード(minor 3rd)」「メジャー・サード(Major 3rd)」と表現されることも良くありますので覚えておくと良いでしょう。
ルート(R)から短3度(m)、ルート(R)から長3度(Maj)はギター上でどのように見えるのでしょうか?下図をご覧ください。
![Root-m3](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=620x10000:format=png/path/s5f00cd62cce720e6/image/i6f52abf7a73e1000/version/1376129611/root-m3.png)
⑤弦と④弦の組み合わせと、⑥弦⑤弦の組み合わせを例にします。mの音程とMajの音程を弾きながら良く聴き比べてみましょう。いわゆるマイナー(暗い)とメジャー(明るい)の響きがこれです。
![Root-M3](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=620x10000:format=png/path/s5f00cd62cce720e6/image/ief79355aa2920009/version/1376129781/root-m3.png)
つぎにそれぞれの3度の音からさらに長短3度を重ねてみます。それをルートからの音程として表し直します。
E音(Maj)から長3度・短3度⇒C(R)から数えて増5度(#5)・完全5度(P5)
Eb音(m)から長3度・短3度⇒C(R)から数えて完全5度(P5)・減5度(b5)
![M3-5th](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=620x10000:format=png/path/s5f00cd62cce720e6/image/i896c5c269feb40a9/version/1376457247/m3-5th.png)
ここで注意点ですが、下図のように④弦上のEb音から長3度・短3度を取ろうとすると、短3度の音つまりGbは③弦上には取れなくなります。つまり⑤弦のC音からトライアド(三和音)を鳴らそうとしても「R-mーb5」の組み合わせだけ出来ないということです。それに対して⑥弦Cから作る場合はGbの音も取れるわけです。
![min3-5th](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=620x10000:format=png/path/s5f00cd62cce720e6/image/ida21658aa2b58c04/version/1376457259/min3-5th.png)
ということで上の2つの図の右側、つまり⑥弦のC音から組み立てる三和音を見比べてみてください。出てきたのは4つの組み合わせとなります。
R-Maj-#5(ルート-長3度-増5度):C音・E音・G#音
R-Maj-P5(ルート-長3度-完全5度):C音・E音・G音
RーmーP5(ルート-短3度-完全5度):C音・Eb音・G音
R-mーb5(ルート-短3度ー減5度):C音・Eb音・Gb音
トライアドには4種類あるということです。まずはこの4つのコードを覚えましょう。これらのトライアドにさらに長短3度を重ねてゆくと「7」のつくコードが、そこからさらに3度を重ねれば「9」系のコード・・・となり、「13」系まであります。奇数がポイントでしたね。