今回のアレンジは、ギターソロの極みの一つである、クラシカルな
「トレモロ奏法」
で行ってみてみたいと思います。
クラシックギターというと、このシリーズの4回目で紹介した禁じられた遊び風バージョンの原曲である「ロマンス」とともに、「アルハンブラ宮殿の思い出」が有名です。
その曲がまさにギタートレモロ奏法の代名詞です。単音を連続で細かく鳴らし、メロディラインを強調する特殊奏法です。
サンプルの動画では、Aのキーで、メロディに①弦のみを使ってのアレンジとなっております↓
ギターのような撥弦楽器は、音を発した瞬間から音量は下がる一方であるというのが宿命ですが、このトレモロ奏法をうまく活用すれば、ボーカルやバイオリン、フルートなどのように同じ1音でも長くのばしたり、クレッシェンドなどダイナミクス変化を付けたりも出来るようになります。そして同時に伴奏も弾けるというのは魅力的ですよね☆
このトレモロ奏法の仕組みについて、初めての方のためにTAB譜で少し説明しておきます。
![ギターのトレモロ奏法](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s5f00cd62cce720e6/image/i3b8d9008b2ff9e24/version/1456463019/%E3%82%AE%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%A2%E3%83%AD%E5%A5%8F%E6%B3%95.png)
譜例は、AとE7の2つのコードで、コードフォームを押さえた状態のままで、トレモロに出来るものです。クラシックのトレモロ奏法の右手の構造は、
右手「親指」でアルペジオ伴奏を担当し
「薬指→中指→人差し指」の順にメロディにあたる①弦上の単音を連打する
という風に出来ています。
伴奏音を弾く親指(p)に対し人指し(i)・中指(m)・薬指(a)は、上記以外にもp-iamiやp-amiamiなど様々な使い方もあります。曲の速度や、伴奏音の音数に応じて使い分けることも出来るというわけです。ギターならではのアレンジとしてぜひどこかで取り入れたい手法のトレモロ奏法についてでした。
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