3つしかないコードの機能:ダイヤトニックによるコード進行その①:知識ゼロからのギターコード攻略(27)

ここからはダイヤトニックコードを使って実際の楽曲やコード進行の例を見ながら、コードについての基本的知識を獲得するとともにそれを「使える」ようにする発想の仕方を学んでゆきましょう。


必要な方は、ダイヤトニックコードとは何かについておさらいしておきましょう。

 ダイヤトニックコード①

 ダイヤトニックコード②

 ダイヤトニックコード③

 ダイヤトニックコード④


当シリーズの(18)「音楽の種明かし!?」でお話したように「ファンクショナル・コード(機能和声)」という考え方を手に入れたなら、楽曲の展開つまりコード進行などの大まかな曲構成がどんどん分かるようになってしまいます。なぜなら、どんなキーの曲も同じⅠⅡⅢといった数字で位置を表したコードによって捉えなおせるため、コード進行や各コードの使われ方のパターンが丸見えとなり、簡単に理解出来るようになるからです。

 

そして様々曲を見てみると、キーが違うだけで、コード進行の中身はよく似ている、いやまったく同じという場合も少なくありません!



たくさんあるように見えるコード、じつは3つだけ!?

ダイヤトニックコード(現時点では全ての考え方のもとになるメジャーダイヤトニックのみ扱っています。マイナーダイヤトニックに関しては追々説明してゆきます。)の7つのコードは、その機能的性格からトニック、ドミナント、サブドミナントの3種類に分類することができます。そう、コードは数多く存在しているものの、役割という点から見れば3つだけ!だというのです。


「ソーソーソー、ドーーレミー、ファーファーレー、ドー」の「ふるさと」を例に、末尾4小節のメロディを口ずさみながらコードがどのようにサウンドするか実際に試してみましょう。そしてコードだけでも弾いてみてください。T(トニック)・D(ドミナント)・SD(サブドミナント)がバランスよく並んでおり小さな起承転結とも言えるようなストーリー展開が感じられたのでは?


「ふるさと」末尾の4小節コード

3つの基本ファンクショナルコードの持つ味わいとは?

T・D・SDを使って単純なコード進行を弾いてみましょう。ここではCのキーで


 Ⅰ=T(トニック)具体的にはCMaj7

 Ⅴ=D(ドミナント)具体的にはG7

 Ⅳ=SD(サブドミナント)具体的にはFMaj7


ということにします。上記の「忘れがたき故郷」のメロディに下のコード進行をそれぞれ当てはめながら、弾きがたってみてください(リズムはどんな弾き方でも構いません^^)。



 ①Ⅰ-Ⅰ-Ⅰ-Ⅰ

「ふるさと」 オール・トニック
「ふるさと」 オール・トニック進行


 

 ②Ⅰ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅰ

「ふるさと」 T-D-T進行
「ふるさと」 T-D-T進行


 

 ③Ⅰ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅰ

「ふるさと」 T-SD-T進行
「ふるさと」 T-SD-T進行

 

 ④Ⅰ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ

「ふるさと」 T-SD・D-T進行
「ふるさと」 T-SD・D-T進行

 

 

いかがでしたか?

 

例えばですが、わたくしなりにざっと解釈を加えてみますと、

 

 ①Ⅰ-Ⅰ-Ⅰ-Ⅰは、3小節目「ファ」の音が気になる以外おかしくはないが、全体的に変化がなく退屈な印象。

 

 ②Ⅰ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅰは、白黒はっきりと変化がありトニックに戻って終止した感じ。

 

 ③Ⅰ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅰは、②に比べるとゆるやかではあるが変化があり落ち着いて終わる。

 

 ④Ⅰ-Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰは、②③に比べてより動きがありちょっとしたストーリーにも聞こえる充実感ある終止。

 

という感じですが、そんな風に聞こえましたでしょうか。言葉での表現には限界もありますので「私はこう感じた」など色々あることでしょう。とまれ、このT・D・SDの個性、組み合わせがもつ引力、といった音楽のコード進行が醸し出すものには、何か特定の風合いがあるのだということはご理解いただけたのでは?と思います。

 

 

 

Cのキーだけでもいいのですが、3つぐらい別のキーでも弾いてみるとより分かりやすいかと思います。ぜひトライしてみてください!どんなキーでも構いません。ダイヤトニックコードの押さえ方はシリーズの(19)~(26)で全キーについて掲載しておりますので参考にしてください。



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