Cのキーと数字で、メロディとコードを把握すべし:この曲どう料理する?ギタリストのアレンジ術40策(6)

「メロディ全体の音域をもう少し高くしたい」とか、「ギターでコードが鳴らしやすいキーに曲を移調したい」など、アレンジを考えるときにこういった欲求が出てくることもあるでしょう。

 

キーを変える、移調するにはどうしたらよいのでしょうか?#もbもなにも変化記号のないドレミファソラシドすなわちキーCで楽曲を捉える(捉えなおす)こと、そして数字でコードやメロディを把握すること、をお勧めします。

 

これにより、コードとメロディの分析・把握が可能です。把握ができれば、そのままごっそりとお部屋ごと引っ越しするような感じで移調ということは出来るようになります。たとえば次のように、コードはローマ数字で、メロディの音符各音は普通の数字で表してゆきます。

キーがCのとき

 

 「Ⅰ」=C、「Ⅱ」=D、「Ⅲ」=E、「Ⅳ」=F、「Ⅴ」=G、「Ⅵ」=A、「Ⅶ」=B

 

 「1」=ド、「2」=レ、「3」=ミ、「4」=ファ、「5」=ソ、「6」=ラ、「7」=シ

キーをCからGに変えてみます。

 

数字は全く変わっていないのがお分かりかと思います。

同様に、キーAの場合も見てみましょう↓

 

メロディの音域は、低いミ(E)~高いミ(E)までとなりました。そうです、曲のメロディを全部①弦上でとることも可能だということが、この譜面から見えてくるのではないでしょうか。

第1回でHappyBirthdayの原型としてキーをCメジャーに設定してお話をはじめました。この場合、曲のメロディは「ソ」(③弦上0フレット)~「1オクターブ上のソ」(①弦3フレット)の範囲内で弾く事ができるわけです。仮に同一弦上に直すと、全て③弦上に収る音域だとも言えますね。

 

これをキーAに変えた場合、メロディは①弦上の0フレット~12フレットで全て収めることができます。1番高い音の出る①弦上にメロディがある方がやはり、音楽としては聞き取りやすいため、移調する効果は大きいと思います。

 

このような理由からアレンジにおいては、キーを変えるということについてよく知っておくと可能性が広がります。キーを変えると「ギター上にどのようにメロディとコードが現れるのか?」が変わってきます。移調したキーに応じて、メロディ全体の場所というか位置は、そのままスライドするということになります。Gメジャー、Aメジャーともに、付された数字はコードも音符もどちらも、キーCメジャーの時と全く変化してない、つまり音程関係は同じまま、全体移動をするのが移調ということが、お分かりいただけたでしょうか。ということで、移調したいとき、まずは原型をCのキーで、そして更に数字でコードとメロディまでキャッチできると、これが押さえておきたいポイントです。

 

 

最後に、今ひとつ「キ―(調)」についてピンと来ないという方、少し掘り下げた説明を以下に追記しておきます。

 キー(調)というのは「ハ長調」とか「Am(Aマイナー)」などと表現されます。HappyBirthdayToYouの原型はハ長調つまりCメジャーでした。

 

「キーがCメジャー」という言葉の意味は「主音がCで、音階はメジャーです」ということになります。

 

「主音がCです」というときの「C」とは何でしょうか?音名の英語表記です。ちなみに日本語表記では「ハ」、イタリア語表記で「ド」となります。とくにコードネームや絶対音としての音名を言うときは英語表記の音名を使うのでぜひ覚えておいて下さい。

 

「音階はメジャーです」というときのメジャーの音階とは何でしょうか?「ドレミファソラシド~」というこの音の階段、これは長音階とかメジャースケールと呼ばれ、ドに始まりドに終わるというドを中心とした明るく穏やかな音の響きをもっています。ちなみに暗く悲しげなマイナースケールや不気味なディミニッシュスケール、個性的な響きのブルーススケールなど、色んなスケールがある中の一つです。

 

今回の題材曲で使われているのは「メジャースケール」ですが、このメジャースケールがマイナースケールと比較して明るく穏やかに聞こえる理由は「音程」にあります。つまり「ドとレ」「レとミ」「ミとファ」といったある音と次の音との距離のことです。これが「全・全・半・全・全・全・半」と並んでいるとき即ちこれをメジャースケールと呼んでいるんですね。図ではギターの②弦上をピアノに見立ててCメジャースケールを1本弦横一直線上に並べてあります。

 

全音はギターでいうフレット2つ分、半音とはフレット1つ分の音の距離関係のことです。この「全全半~」という並び方が異なるとき音階も違う響きを持つことになります。

 

「メジャースケールの始まりの音を、C音にセットする」これがキーがCの状態です。今回の譜例は言いかえれば、「メジャースケールの始まりの音を、G音にセットする」「メジャースケールの始まりの音を、A音にセットする」であったということですね。譜例に#が付いたりしているのは、メジャースケール特有の音程である「全・全・半・全・全・全・半」を作りだすための音程修正のゆえだったのです。

 


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