ギター上達のために必要なマインド

練習における目標設定の重要性

練習における目標設定

 

うまくなるためにあなたは、目標を設定して練習しているだろうか?何をどう練習する必要があるかある程度でも納得して練習をしているだろうか。もしかして、なんとなくたった今やりたいこと(曲)だけ練習して終わってしまってないだろうか?あるいは、練習したいけど、何と言うか、結局身が入らない、ということはないだろうか。


さてどんなことをするにおいても、目標を立てるということ、すなわち「どれだけやるのか」あるいは「どこに到達するのか」という目指すべき地点を明確にすることが大切であると、誰もが理解出来るはずだ。ギターに当てはめてみれば、同じ時間を投資したとして、目標に向かう人と何となく練習する人とでは、月日がたつにつれ、差が出てしまう。


もうすこし具体的に考えてみる。


たとえば週単位での目標を考えてみよう。あなたは今週どういう目標を立てたか?まだの場合は紙とペンでも用意してとにかく書き出してみよう。


「毎日基礎30分、曲に1時間・・・」という人もいれば、「曲A、曲B、アルペジオ練習曲、Gナチュラルマイナースケールの開放ポジ・・・」など具体的な項目が出てくる人もいるだろう。なかなか浮かばない人もいるかもしれない。「とにかく今週1回でもギターに触る」が目標の人もいることだろう。


さて、目標が書けたら一度振り返ってほしい。それをするのはいいとして、達成した結果どうなりたいのか。もっといえば、ギターを手に、ゆくゆくあなたは何をしたいのか。あなたには、このことがはっきりしているだろうか?


結局、目標設定をしてみることで得られる最も重大なこととは、目標という単位の先にある、あなた自身の「目的地」を知る、もしくは定める、ということではないだろうか。

 

「目標」と「目的」は違う

目標と目的は違う

目標とは目的地にたどり着くために目印となるいくつかの通過地点といえるだろう。


行き先がはっきりしてないうちに、調達すべき費用の額や準備物、交通手段をどうするとか考えようがない。


これと同じように、自分がギターや音楽でどうなりたい何をしたいのかはっきりしていないのに、本当の目標を立てることはできない。


おおざっぱでも構わない。現時点でのあなた自身の音楽あるいはギターを通した目的地を定めてみよう。

悩むことはない。目的地は、途中で変わってもいいのだ。今定めた目的地が真に求めていた場所でなかったと気づく日が来たとしたら、その時はより研ぎ澄まされた感性と経験を土台に新しい旅の出発を成してゆけばよいだけなのだ。


アーティストを目指しており、仮にいま自分の表現したい音楽がロックの語法のみで語れるものなら、とにかくひとまずロックのアプローチを学ぶという目標を立てることができる。


ジャズのテイストをちりばめたアニソン・ソロギターをやりたいというイメージを持っているならば、少なくともそれに関連する要素が必要なのは当然だ。だからそこから目標は立てられる。


妻が書きためた詩に曲をつけて唄ってあげたいということであれば、曲づくりの能力、歌の伴奏をギターコードでつける等々必要なスキルが見えてくる。


お年寄りに接する機会が多いのでギターで慰めてあげたいという人ならば、お年寄りが好む曲のリサーチや、楽しませるためにギターをどのように用いたらよいかを考えることが練習に取り掛かるよりも重要になるかもしれない。

何かをする必要性を感じるなら、人は時間を自ら作ってでも、そのことをしようとするのが普通ではないだろうか。目的が明確であるなら、そこに到達する上で目安となる目標を立てることにより、日々の生活の中で流されそうになっても何とか時間を割いて取り組むという気持ちも生まれる。この時間を取り巻く日常の小さな闘いが、まさに自分自身との戦いとして展開される。これに勝利をし、積み重ねてゆくとき、目的地が近付いてくるはずだ。

 

ぜひ、自分にとってのギターや音楽における(当面の)目的地を決めることに取り組み始めてみてほしい。目的が明確になることできっと、こういうことを練習しようとか、次々とアイデアが出てくるはずだ。3日とか1週間もしくはそれ以上かかるとしてもけして無駄にはならないはずだ。

 

現状を変えたければマインドセットを変える

あなたは今、なかなか上達出来ず、あるいは練習が思うように進まない現状を変えたいと考えていないだろうか。今の状況は、あなた自身の行動パターンの産物だと素直に受け入れられるだろうか。もしそれが正しければ、行動を変えることが必要だということになるが、習慣化された行動パターンはなかなか変えることが出来ないものだ。なぜなら、考え方、もっと言えばものの見つめ方や捉え方、思考方式すなわちマインドセットを変えようとしてないからだ。

 

上達のための思考法、マインドセット、これが特に重要であると思うのは私だけではないだろう。確かに、このマインドセットを切り替えてゆくということも単純なことではないかもしれない。しかしここにメスを入れてこそ、変化が訪れうるのも事実だ。例えば、上達に必要不可欠なマインドを3つ、陥りがちなマインドセットと対比して、挙げておく。

 

マインドセット

いかがだろうか?Aのような見つめ方をしている人と、Bのような考え方をしている人とでは、その行動は同じだろうか、異なるだろうか?ましてや行動が繰り返され習慣化され、それが1カ月、2カ月、1年、2年と積み重ねられることを想像してみてほしい。その差は明らかだ。

 

最後に、上達を助けるあるいは決定づける思考法について私の考えるところをざっと並べてみたい。

 

・目的観を持つ:何のためのギターか、私は何のために上手くなる必要があるのか、私が上手くなることで誰が喜ぶというのか、「志」(=上手くなってどうするか)という何かを持っているか


・基準を明確化する:上手くなるとは何を意味するか=自分の中で上手いという基準の明確化がされているか

・ポジティブさ:歌えるものイメージが湧くものはギターで表現可能である、努力し続ける限り必要な技術は身につけることができる、出来ないではない出来るようになるまで挑戦し続けたかどうかだ

・現実を見つめる強さ:どこがダメなのか、何が出来ていないのか、なぜ出来ないのか、時間がかかることも抱えて小さな努力を積み重ねるんだと覚悟するかどうか、死ぬ日まで続ければどうだろうかそれでも出来ないことなのか

・リスペクト:様々なジャンルを見渡してそれぞれの良さが分かる感性が必要、音楽以外のことも重要であると思えるか、他人の良いところが見えるか(人の批判ばかりしていないだろうか)

(補足:職業音楽家を目指してる方へ)
・プロ意識:なぜお金になるのかorならないのか、頂く金額に見合う仕事をしているのか、勤めてお金がもらえるのはその事業が社会や人々の為になっているから・・・それと同様に個人の音楽家にも社会の中で役に立った分だけ帰ってくる

 

もしあなたに、今の状況に満足できていない部分があるなら、マインドセットを切り替えるという、この部分を見つめ直してみてはいかがだろうか?ぜひ、参考にしてみてほしい。

 

ギターはじっと待っている