森 充
もり みつる
ICMFguitarstudio代表、島村楽器音楽教室アコースティックギター・クラシックギター・フラメンコギター・ウクレレ科講師。フラメンコギターで鍛えた指さばきとリズム感に裏打ちされた「技術力」、ジャンルの垣根を超えた音楽の「普遍的価値観」、そしてレッスンスケジュールやカリキュラムにおける「柔軟性」、この3つを通して、生涯楽しめるギター音楽ライフを応援しています。
アプリを活用して練習をするという方も多いかと思いますが、最近いいものを見つけましたので少しご紹介。BlueStacksというフリーソフトがあり、スマホやタブレットのOSであるAndoroidをPC上で作動させることが出来るというのです。けっこう有名な会社もスポンサーをしているみたいなので信頼できるソフトのようです(動かなくなることもたまにあります…でも再起動すればほ問題無しです)。
iPhone/iPadのほうがはるかにクオリティが高く実用的なアプリも多いのは事実ですが、お気に入りのアプリの中にはAndoroid版のものもあり、それを使えるというだけでもすごく便利です!
写真は伴奏生成・再生アプリの「iReal Pro」。例えば15インチの画面だと大きくて見やすいので、レッスンでもそのまま見せてあげられるという画期的なスタイルになりました~
PCを開いている環境にいるときは、PCと更にiPhoneをいじって…という手間がなくなり同じ一つの画面で済ませてしまえるというのが、何ともスッキリしていて気持ちいいです!
スピーカーにつなげて大音量で伴奏やメトロノームを鳴らしたいときも即です。こちらのアプリは「Flamenco Metronome PRO」。ちょっとマニアックな、フラメンコのリズムだけのパーカッション音源で、これはiOSには無いアプリとなっております。
練習しようと思ったのに、ギターケース一つ(開けるの)が障壁になってしまう…という経験がある方もいるのではないかと思います(^^; 1台のマシンにお気に入りのアプリやソフトがまとまっていれば、痒い所に手が届くような練習環境を後押ししてくれます。興味のある方はぜひ一度BlueStacksお試しください☆
発表会を間近に控え、自分の演奏する曲と向き合いながら「あれ!?家では弾けてるんだけどな(苦)」という生徒さん・・・。こういう展開はよくあることです。ギターを一人で演奏するというのは、ほんとに簡単なことではありませんよね。
「石の上にも3年」ということわざがあるように、音楽の世界にもそれに似た名言・ストーリーがあります。私の好きなフラメンコギターの世界でも、パコ・デ・ルシア以前の巨匠サビーカスはこんな言葉を残しています。
「歌伴奏に10年、踊り伴奏に10年、そしてそのうえでソロに10年」
これは本物のフラメンコギター・ソリストになるにはこのような経験値が必要だという意味で語られた内容です。
一般的な長調(メジャー)やブルースなど、キーCの曲に使用することが出来るブルージ―なペンタトニック・スケールの基本ポジション一覧です。メジャー・ペンタトニックにb3(Eb)を加えた音階となっております。譜面上の開始音はスケール・フォーム中では赤色で表示してあります。
ディミニッシュ・スケールの各弦4音のフォームと合わせて覚えやすいのが、以下に紹介するホールトーン・スケールです。6音の音階で音程間隔が全て全音という、何とも不可思議なあるいは器械的なサウンドです。
左手は1・3・4の運指を繰り返します。あるいは1・2・4指でも弾けます。弦の変わり目ごとに出てくるポジション移動に慣れるとこが肝要です。指弾きで交互弾弦する場合でも、ピックでオルタネイト・ピッキングでするにしても、奇数音ごとの弦移動となるため、imまたはダウンアップが常に入れ替わり右手の練習にも効果的です。
コンビネーション・オブ・ディミニッシュ・スケール(通称「コンディミ」)とも、シンメトリカル・ディミニッシュド・スケールとも呼ばれる、いわゆる8音のディミニッシュ・スケールについて、応用力が比較的高いかなと思われるスケール・フォームを紹介します。これは左手の移動の練習、人指し指から小指までまんべんなく使うエクササイズとしても大変おススメです☆
図はCディミニッシュ・スケールです。これはご存知のようにD#(Eb)とも、F#(Gb)とも、Aとも言えます。音程間隔が常に「半音・全音~」と一定しているため使用する音は全て同じだからです。基本的にこのCディミニッシュ・スケールと対応するコードはC7、そして半音上のC#dim7(Dbdim7)とお考えください。もちろんこの同じ一つのスケールでD#7(Eb7)、F#7(Gb7)、A7、およびEdim7、Gdim7、A#dim7(Bbdim7)にもマッチした響きがします。
Cmメロディック・スケールの一つ目のポジションです。ローポジションから行きたいところでしたが、12フレットを越えるハイポジションになっています。これはローポジションではEbの音がフォーム内に見出せなくなるため1オクターブ上げたためです。楽器によっては、譜例の運指では弾きにくいかもしれません。指番号はあくまで参考とお考えください。
ギターをこれから始めるという方へ、スタート・ダッシュに差が付く6つのポイントをまとめてみました。とは言えこれは、すでに始めていて後から知ったとしても十分に役立つ内容でもあります。もちろんこれら以外に大切なことも多くあるかと思いますが、ここではギターの弦の数に合わせて6つお話したいと思います(^^) ウクレレの方は文中のギターという単語ををウクレレに替えて読み進めてくださいませ<(_ _)>
スケールのポジションごとのフォームを覚えるとアドリブばかりでなく独奏曲に取り組む上でもシンプルなコードを弾くときにさえもプラスになります。今回は、ト音記号の横に#が1つ付いたキーであるGメジャーのダイアトニック・スケール(七音音階)です。
最後、7つめのポジションです。ここでも左手小指のストレッチが出てきます。キーがCの場合、12フレット以上の押弦を含むハイポジションとなるため弾きにくい部分もありますが、標準的なクラシックギターでも弾ける範囲ですのでじっくりと練習してみてください。以下にこれまでのポジション1~6のリンクを載せておきます。
ポジション6は⑤弦の人指し指位置で言うと「F」のポジションです。ここの運指ですが、スタートのC音を左手中指から始めることも可能ではありますが薬指にしてあります。そのほうが人差し指が8フレット上をセーハしやすくかつ⑥弦8フレットをルートとするCのコードと一致させやすいからです。コードフォーム合わせて理解しておくと、スケールは覚えやすく使いやすいはずです。
「 ポジション5」は⑤弦の人差し指の位置で言うと「E」です。このポジションでは左手の人差し指や小指のストレッチが一切ないスムーズな運指で音階を上下できるフォームで、比較的覚えやすいのではないでしょうか。
Cメジャースケール・ポジション4は③弦5フレットから開始です。これは開放弦ポジションでのGメジャースケールを並行移動させたフォームになっています。えっ?と思われた方は、下記指板図を参考に同じフォームを半音ずつずらして弾いて最後に③弦0フレットから弾き始めてみてください。
ポジション3は、⑤弦の人差し指の位置が、「C」音の所に来ます。ちょうどローポジションのCのバレーコードを押さえるときの位置ですね。コードのフォームと関連づけて覚える方法もありますがこれについてはまた別の機会に触れたいと思います。やはり「ドレミ~」とつぶやきながら練習することをお勧めいたします。
ポジション2は少し難しさもありますが、左手のスキルアップにも役立ちますので、これも繰り返し練習して覚えられるといいですね。ゆっくり、丁寧に、運指に気を付けて、一気にやらずに日数をかけて少しずつ取り組むほうが効果的です。
ギター奏法には様々なものがあります。同じギターという楽器が実に様々なジャンルに使われ、かつその使われるシチュエーションも独奏であったりバンドの中のパートであったりボーカルや他の旋律楽器、あるいは舞踊の伴奏であったり多岐に渡っています。ここではガットギター(ナイロン弦)、アコースティックギター(スチール弦)といった生音のギターを主に扱いますが、まずはざっと大まかに4つのジャンルに区分して(と言っても、完全に切り離すことが出来ないのは言うまでもありません)、おおよそこんな技が使われていますよ~的なお話をしたいと思います。
ギターという楽器は、独奏楽器としての側面と、伴奏楽器としての側面の、両方があるのはご存知かと思いますが、より高度な伴奏法はソロギターに通じますし、より音楽性の高いソロ楽曲には伴奏のみを行うときと同じようなリズムの躍動感や自由度が見事に表現されているものです。つまりこれもまた両者切り離すことの出来ない関係と言えますね。
ここではアコギ系・クラシック系・ジャズ系・フラメンコ系という4つの大きな枠組みで捉えることにしています。ハワイアンやフォルクロ―レ、カリビアン、アイリッシュなどの民俗音楽でもギターは使われるわけですが、それらも奏法的には上記4つの系列にほぼ収まると見てよいでしょう。もちろん、ハワイアンミュージックの美意識や価値観という部分にまで入り込んでハワイアンギターをなさりたいという方が必要とする情報はまた別のものとなるでしょう。ともあれ、どんなジャンルにせよギターという楽器を弾く上でその奏法の全体像を知っておくことは少なからずプラスになると思いますので、関心のある方はぜひ続きをお読みくださいね。
スケールを練習することには様々な目的がありまた効果があります。既に色々なポジションでハ長調の音階は練習しておられる方も多いと思いますが、ここでは指板上を一覧でき、ポジションの移動という動作がクリアになってゆくように、7つの基本ポジションを順番に見てゆきます。ここで言う一つの「ポジション」というのは、左手の位置の移動をせずに弾ける全ての音のことです。言いかえれば、セーハの人差し指の位置を変えることなく①弦から⑥弦まで全弦使ってCの音階を上下して元の音に戻るという練習になります。
<スタイルの内容>
・16ビートストローク:ファンキーなリズム、ポップなコード、キーはAメジャー
・シンプルソロ:メロディラインにコードをポイントで、キーはC
・カントリー3フィンガー:いわゆる3フィンガー奏法でのソロ、キーはC
・クラシカルアルペジオ:「禁じられた遊び」風3連アルペジオ上のメロディ、キーはG
・開放弦ハーモニー:ギター特有の開放弦と隣接する1度や2度の音程をぶつけるサウンド、キーはG
・トレモロ奏法:クラシックギターのトレモロ奏法、キーはA
・対位法:主メロディを支える低音の対旋律は単なる伴奏音でなくもう一つのメロディに、キーはA
・ブルース:3コードのブルース上に載せたメロディ、キーはA
・ジャズワルツ:ジャズワルツのリズムと9thや13th系のテンションコード、キーはF
・ソウル風:右手のミュート音を加えてソウルの伴奏っぽいリズム、キーはF
・ボサノバ:ボサノバのリズムと典型的なコード進行、キーはF
・8ビートストローク:フォークの弾き語りのようなシンプルなストロークのジャカソロ、キーはA
・ラスゲアード奏法(フラメンコストローク):フラメンコのかき鳴らし奏法、コードはミの旋法(フリージアン・モード)に基づく進行、キーはC#フリージアン
・フラメンコアルペジオ:フラメンコのルンバのリズムとその基本アルペジオ型、キーはA
あなたは日々ギター手にしながら、理由があってそのことに時間を使っているはずだが、様々な事情と環境の中で、満足のいく練習あるいは楽しむための時間を十分に確保できているだろうか。
仕事、家のこと、家族、勉強、友達、地域活動、ギター以外の趣味etc.
「忙しい」の一言で片付けたくはないけれど・・・実際、「気がつけば今日もギターのための時間が取れなかった・・・」という経験をお持ちの方も多いようだ。
これではギターの練習をする前に、時間管理の練習をするほうがかえって近道のような気がする。そういう方のために、時間管理の基本について、ギターの練習に当てはめて考えてみようと思う。
日々ギター上達を目指すあなたは「ギター・スタイルの全体像」というものを考えたことはあるだろうか?
ギターで何がしたいのか?という問いに対して、例えば「自分の曲で人々をハッピーにしたい」などの抽象的な答えも重要なのだが、具体的な手段が何なのかを答えられなければ次には進めない。つまりどんなジャンルやタイプの音楽、どういうスタイルのギターでやってゆきたいのか?ということだ。この選択に迫られる方も多いはずだ。
300年ほど前のヨーロッパならば、ギターといえば現在のクラシックギター以外を指すことは無かったかもしれない。しかし今日、ギターといっても、楽器の種類から、ジャンル、奏法、またバンドの中の一パートとしてのギターから弾き語りの伴奏ギター、フィンガースタイルの独奏など様々ある。
個々の目的に合わせたスタイルの「選択」が、必要不可欠であるのは言うまでもない。
前述のような抽象的な目的をより明確にしてゆくことと同時に、自分がどのようなギターのスタイルを用いてそれを実現してゆくのかについてもはっきりさせてゆくことが重要だ。
おおまかでも構わない、ギターのスタイル全体像を知っておくことで、何をすべきかが見やすくなり、練習にも大きく役立つ。魚の居場所を知ろうともせずに、大海に向かってただやみくもに細い糸をたらし続けても釣れる漁師にはなれない。
うまくなるためにあなたは、目標を設定して練習しているだろうか?何をどう練習する必要があるかある程度でも納得して練習をしているだろうか。もしかして、なんとなくたった今やりたいこと(曲)だけ練習して終わってしまってないだろうか?あるいは、練習したいけど、何と言うか、結局身が入らない、ということはないだろうか。
さてどんなことをするにおいても、目標を立てるということ、すなわち「どれだけやるのか」あるいは「どこに到達するのか」という目指すべき地点を明確にすることが大切であると、誰もが理解出来るはずだ。ギターに当てはめてみれば、同じ時間を投資したとして、目標に向かう人と何となく練習する人とでは、月日がたつにつれ、差が出てしまう。
もうすこし具体的に考えてみる。
たとえば週単位での目標を考えてみよう。あなたは今週どういう目標を立てたか?まだの場合は紙とペンでも用意してとにかく書き出してみよう。
「毎日基礎30分、曲に1時間・・・」という人もいれば、「曲A、曲B、アルペジオ練習曲、Gナチュラルマイナースケールの開放ポジ・・・」など具体的な項目が出てくる人もいるだろう。なかなか浮かばない人もいるかもしれない。「とにかく今週1回でもギターに触る」が目標の人もいることだろう。
さて、目標が書けたら一度振り返ってほしい。それをするのはいいとして、達成した結果どうなりたいのか。もっといえば、ギターを手に、ゆくゆくあなたは何をしたいのか。あなたには、このことがはっきりしているだろうか?
結局、目標設定をしてみることで得られる最も重大なこととは、目標という単位の先にある、あなた自身の「目的地」を知る、もしくは定める、ということではないだろうか。